2020年度 学際情報学専攻 総合分析情報学コース(冬季入試)に合格しました(東京大学大学院学際情報学府)

2020年3月7日

この度、2020年度 東京大学大学院学際情報学府 学際情報学専攻 総合分析情報学コースに合格しましたので、その対策を書いていこうと思います。冬季募集での合格ですので、夏季募集とは制度が異なる可能性があります。

総合分析情報学コースとは

総合分析情報学コースの公式な定義は、

  • 学際情報学専攻の公式ホームページ
  • 総合分析情報学コースの公式ホームページ
  • 総合分析情報学コースの入学試験案内

を参照すると見ることができます。

総合分析情報学コースは、ユビキタス情報社会時代に適合したICT分野の新しい研究と人材育成を目標にしています。

コンピュータ・アーキテクチャやソフトウェア工学などのコンピュータ・サイエンスやコンピュータ・ネットワークをベースとして、ユビキタス・コンピューティング技術、組込みコンピュータ技術、オーバーレイ・ネットワーク技術、次世代インターネット技術を扱い、これらの技術によって取得された実世界や仮想世界の様々な情報をデジタルデータとして流通させて状況認識を行い、さらにそれを実社会で有効に活用するための高度な情報分析手法を実践します。

具体的にはオブジェクト・トレーサビリテイ、医薬品情報学、空間情報認識などのユビキタス・コンピューティングの応用やコンピュータ・ネットワーク上の各種情報の断片の集合からコンピュータ・ネットワーク・システムの脆弱性や防御策を明らかにする手法、さらに人工衛星や航空機に掲載された合成開口レーダー等から得られる膨大なデジタル情報を利用した情報解析、それに基づく災害予知や普及、あるいはセンサーネットや新世代のインターネット・ネットワークサービス、複合現実感、分散システム技術、食品トレーサビリティ、社会資本管理、自律移動支援技術などを研究し教育します。

こうした現実社会に深く関わる技術課題とともにそれを支える社会制度までにも興味を持ち、膨大な情報を活用して確固たる決断を下すことが可能な人材、分析情報学および計算機科学の研究者を育成します。

東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 – 総合分析情報学コース

東京大学大学院情報学環・学際情報学府 総合分析情報学コースは、情報社会における石油とも言われる「データ」を利活用し、産業分野だけでなく、持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)を達成するために寄与したいと考えています。実世界からIoT(Internetof Things)技術によって得られたビッグデータを、機械学習(Machine Learning)や深層学習(Deep Learning)などのAI(人工知能)技術をはじめ、シミュレーションやデータサイエンスの手法なども駆使して、「総合」的に「分析」し、それをデジタル社会変革(Digital Transformation)や社会課題の解決、人間の能力の増大などにつなげることを目指しています。その成果は防災・災害軽減、生命科学、Fintech(金融工学)、スポーツ工学、医薬品情報学、空間情報認識、社会資本管理、ドローン、自動走行自動車など、現代社会の様々な課題の解決に利活用されます。

コース紹介/Introduction – 東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 総合分析情報学コース

本学府修士課程[総合分析情報学コース]は、主にコンピューターサイエンスやコンピュータネットワークの基礎を、例えば情報科学・工学分野や電気電子工学分野、通信工学分野における教育や業務を通じて習得したものを対象として、コンピューターサイエンスをベースとして大量のデジタル情報を分析する分析情報学の学際的な専門教育を実践します。実践的な課題に興味を持ち、実社会においてCIO(Chief Information Officer)等として公共政策やビジネス展開を担える人材並びに、分析情報学および計算機科学の研究者を育成します。

令和2(2020)年度 東京大学大学院学際情報学府 学際情報学専攻 入学試験案内(修士課程・冬季募集) 総合分析情報学コース

一言でまとめると、「コンピューターサイエンスを応用して、デジタル情報を総合的に分析する」コースであるといえるでしょう。

総合分析情報学コースの試験科目

総合分析情報学コースには一次試験と二次試験があります。

一次試験

一次試験は、提出書類と筆記試験(専門科目)に基づいて行われます。合否判定で突っ込まれそうな提出書類は

  • 研究計画書(A4, 4ページ以内, 両面印刷)
  • 自己推薦書(自らの能力を評価し記入したもの。必要に応じて情報学・関連の分野における実績の概要を提出)
  • 英語の成績証明書(TOEFL, TOEIC, IELTS)
  • 推薦書(指導教員や上司などに書いてもらう)

があります。情報理工学系研究科や工学系研究科の院試で必要とされる書類よりも多く感じます。特に、推薦書は他の人に書いてもらう必要があるため、注意が必要です。

二次試験

二次試験は7分間の発表と7分間の面接です。願書には、「基礎及び専門能力、研究能力について総合的に行う。あらかじめ与えられた全受験者共通のテーマ(注)について発表を行うが本人の説明時間は7分以内とする。」とあります。

二次試験でしっかりとした発表が課せられるところは、東大理系の院試の中で特徴的かもしれません。

出題範囲と対策法

提出書類の対策

研究計画書に関しては、A4ページの問題

筆記試験(専門科目)の出題範囲

2018年度から総合分析情報学コースの出題範囲と出題形式が変更されています。2017年度までは8題から4題を選択する形式でしたが、2018年度以降は大問数が6問に減少し、6問中2問が必答問題、4問が選択問題(2問)となっています。

出題範囲の変更点を表にまとめてみました。

2018年度以前(すべて選択問題) 2018年度以降
基礎数学分野
・線形代数(ベクトル、行列、行列式、線形空間、線形写像、逆行列、線形方程式、固有値と固有空間、2次形式など)
・微積分学(関数の極限、連続関数、導関数、テーラー展開、不定積分、定積分、偏微分、重積分、微分方程式など)
など
数学基礎分野(必答)
・線形代数(ベクトル、行列、行列式、線形空間、線形写像、逆行列、線形方程式、固有値と固有空間、2次形式など)
・微積分学(関数の極限、連続関数、導関数、テーラー展開、不定積分、定積分、偏微分、重積分、微分方程式など)
など
アルゴリズム分野
・基礎データ構造(リスト構造、配列、木構造、構造体など)
・基礎アルゴリズム(ソート、サーチなど)
・抽象データ型
・計算量理論
・グラフ理論
プログラミング・アルゴリズム基礎分野(必答)
・プログラミングに関する基礎的な技能
・基礎データ構造(リスト構造、配列、木構造、構造体など)
・基礎アルゴリズム(ソート、サーチなど)
・抽象データ型、計算量理論、グラフ理論
など
プログラミング言語分野
・プログラミング言語の分類とその概念(手続き型言語、関数型言語、論理型言語、オブジェクト指向言語など)
・プログラミング言語の基礎概念(再帰呼び出し、引数、変数のスコープ・束縛、イベント起動プログラミングなど)
・モジュール構造(サブルーチン、関数、コルーチンなど)
・プログラミング言語処理系基礎(コンパイラ、インタプリタ、仮想機械など)
など
コンピュータ・サイエンス基礎1分野(主にソフトウェア)(選択)
・プログラミング言語(言語の分類、基礎概念、言語処理系基礎など)
・オペレーティングシステム(同期・通信、スケジューリング入出力と記憶管理、仮想記憶、リアルタイム処理など)
・コンピュータ・ネットワーク(通信プロトコル、経路制御方式、セキュリティ、暗号化方式、誤り制御、輻輳制御符号化方式クラウドエッジなど)
など
オペレーティングシステム分野
・同期・通信
・スケジューリング
・入出力と記憶管理
・仮想記憶
・リアルタイム処理
など
コンピュータネットワーク分野
・パケットスイッチングとサーキットスイッチング
・デジタルエンコーディング方式
・通信多重化方式
・経路制御方式
・誤り制御(発見、訂正)
・コネクション通信とデータグラム通信
・具体的な通信方式(TCP/IP、Ethernet など)
・無線ネットワーク
・アプリケーション
など
コンピュータ・サイエンス基礎 2 分野(主にハードウェア)(選択)
・論理回路(スイッチング理論、論理代数、組み合わせ論理回
路、算術回路、メモリ回路など)
・コンピュータアーキテクチャ(歴史、高速化手法と仮想化(MMU、キャッシュなど)、基礎並列処理方式、マイクロプログラミング、マイクロプロセッサアーキテクチャ、アーキテクチャのモデル化と評価など)
・コンピュータネットワーク(通信機器、構成技術(プロセッサ、FPGA,ASIC, I/O インターフェース), 伝送路、分散システムなど)
など
コンピュータアーキテクチャ分野
・コンピュータアーキテクチャの歴史
・高速化手法と仮想化(MMU,キャッシュなど)
・基礎並列処理方式
・マイクロプログラミング
・マイクロプロセッサアーキテクチャ
・アーキテクチャのモデル化と評価
など
論理回路分野
・スイッチング理論、論理代数
・組み合わせ論理回路
・算術回路
・メモリ回路(ラッチ、フリップフロップ、レジスタ、メモリなど)
など
  分析情報学基礎 1 分野(情報空間の分析情報学基礎) (選択)
・統計(確率、各種確率分布、検定、ベイズ推定、など)
・データ分析(回帰分析、多変量解析、主成分分析、など)
・機械学習(線形分類器、カーネル技法、サポートベクタマシン、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、など)
など
空間情報学分野
・地理情報システム(GIS)の基礎と応用
・空間データの種類と構造
・空間データ分析
・空間情報の表現・伝達・視覚化
・空間認知・心理・行動
など
分析情報学基礎 2 分野(実空間の分析情報学基礎)(選択)
・空間情報学(地理情報システム(GIS)、空間データの種類と構造、空間データ分析、空間情報の表現・伝達・視覚化、空間認知・心理・行動、など)
IoT/ユビキタスコンピューティング
など

これまでは出題範囲が8題に比較的分かれていたため対策が比較的簡単だったのですが、6題化以降対策すべき範囲が必然的に広くなりました。

特に、コンピューターネットワークに関する問題がハードウェア分野とソフトウェアの分野に分割されました。ハードウェアとソフトウェアの問題どちらにもネットワーク関連の問題が出てくる可能性があるため、アーキテクチャ+論理回路+オペレーティングシステム+言語理論+ネットワークの分野はすべて勉強しておくほうがよいです。

出題範囲の変更点は大きく分けて3つです。

  • 5G・次世代ネットワーク関連の用語が頻出になった
  • 機械学習・深層学習・確率統計に関連する問題が毎年出題されるようになった
  • 空間情報学(GPSなど)に加えて、RFIDなどのIoT関連の知識が頻出になった

5G・次世代ネットワーク関連の用語が頻出になった

IoT、CDMA、6LoWPAN、CoAP、REST、OSの仮想化技術、ネットワークの仮想化技術、データセンターのネットワーク、VPN、VLAN、SRIOV、NFV、CDN、OTT、ネットワークスライシング、5Gなどの用語・知識が大量に出題されています。情報学環の中尾彰宏先生の研究内容や、講演のPDFなどを参考にするとよいと思います。

機械学習・深層学習・確率統計に関連する問題が毎年出題されるようになった

機械学習・深層学習に関しては概念レベルでの説明が求められるようになりました。確率統計に関しては2017年度までは第1問で問われることがありましたが、2018年度以降は機械学習・深層学習とともに求められるようになりました。

情報学(GPSなど)に加えて、RFIDなどのIoT関連の知識が頻出になった

私はこの分野の対策をしていないため、詳しくはないのですが、空間情報学の内容に加えてIoT関連の知識が求められるようになりました。

歴代出題テーマ・キーワード

長くなるので、別の記事にまとめました。

筆記試験(専門科目)の対策法

長くなるので、別の記事にまとめました。